“動かない”を“動く”へ整える【可動域専門】
整体師ムラタ 星加さゆりです。

前回からの続きです。長くなった連載も今日でおしまいです。お読み頂けるととても嬉しいです。

一時の不調から回復した後も、定期的におなかを見せてもらいながら穏やかな毎日を楽しむ日が続きました。

※夫がフレンチブルドッグのガチャガチャを引いたことで、アリアに子が生まれた設定の写真。アリアさんも満更でもなさそうです。可愛いなぁ。

黒猫と昼寝をし起きたらマウンティングをし、毎食ご飯をぺろりと平らげる。そんな毎日でした。
でも、その年の初めころから、なんだかおかしいのです。
腎臓を患って以降は拾った命と思い、ただ楽しい苦しくない毎日が、いつか来るその時まで過ごせればよいと思っていましたが、一応、半年に一度の健康診断を少し早めました。結果は問題ありませんでした。またこのパターンです。

施術の手応えになるのでしょうか。おなかに力が留まら無いのです。そんな不可解な手応えと、もう一つ、胸とおなかが重そうで、肝臓の腫れやかたさとは違う重さを上から感じ、横隔膜を使って肝臓をいい位置に戻そうとしてもあまりに変化が無く、おなかが窮屈なのです。窮屈になればキツキツという手応えがあるはずなのに、同時にもろくスカスカで抜けていく。不思議な感じでした。
それが、日ごとに緩やかに増していくのです。これは、正直抗いきれないものを感じていました。

その後、意識を失う発作を起こし、病院でレントゲンを撮ってもらうと、年齢からくる心肥大。肝臓を押し下げていた正体がはっきりしました。熱も高く、肝臓の数値が悪かったこともあり入院をさせました。けれど、今回は厳しいなとも思いました。というのも、お越しの方の何人かが心臓の治療をされている方で、おなかをそれまで触らさせて頂いてきましたが、誰からも、その抜けていく感じはなかったのです。

退院の約束に日に会いに行くと、熱が下がらず、もう一日入院になりました。
けれど、アリアは皮膚が弱く、腎臓の入院時の点滴で前足の血管を細くしていたので、入院治療のメインである点滴を刺す場所が少なくなっていきました。年齢と癒着しやすい体質で外科的処置は無し。点滴を刺す血管が取れず、今後入院する意味も無くなってきました。選択肢が必然的に狭まるのです。もう入院は今後しないと決まりました。

退院後、眠る時間が日ごと増えつつも、食欲も戻り散歩も少し行きたがるほどには元気で、私にくっついて来たり抱きしめて眠れば満足気な顔と深い息を着く穏やかな毎日を心臓のお薬を飲みながら過ごしていました。

その日の前の夜も、夕食をぺろりと平らげた後、夫とアリアといつも通り散歩に出かけました。アリアのペースでゆっくり歩く散歩です。

次の日は8月31日土曜日で一日仕事がありました。朝、食事を嫌がりました。
アリアの人生で食事をとらない回数は入院中もない程で、飼い始めて片手も無いほどの快食家でしたので『あぁ、今日がその日かもしれない』と思いつつも『仕事終わりに病院に行くからそれまで待っていてね』と、約束なのかお願いだか分からない言葉を施術の合間に掛け、一日の施術を終え、アリアのところへ行くと熱が上がっていたので病院へ直行しました。

熱が高く先生が解熱の注射をして様子を見ようと注射をして下さる前に、先生曰く『見えすぎるほど見える』最新エコーをあてて下さいました。
そして、経験豊富な先生が『見える血管と肝臓、他の臓器も、あらゆる場所が弾力が失われたひび割れているような表面だね。僕こんなの初めて見ました。』と、おっしゃられました。

その言葉を聞いた時、スカスカの抜け落ちる手応えの正体がわかったように思いました。おなかの施術でいつもやっている循環をさせようにも、もう循環するパイプとなる血管や、流れを受け止める臓器そのものが限界まで使われた後だったのです。何もとどまらない訳です。アリアはその命を使い切るまで共に暮らしてくれたのだと思いました。

『アリア。目といい、腎臓といい、膿といい、今回といい先生の知らないことばっかじゃん』と、こころの中でツッコミを入れつつ、家に連れ帰り、その夜アリアは目を離したすきに亡くなりました。大きく調子を崩す時や倒れる時は、示し合わせたように、仕事の合間や私が実家に会いに行った時だったのに、亡くなる時は立ち合えませんでした。

かなりの心肥大の後に訪れる最期には、肺水腫によるジワジワおぼれ死ぬような苦しみが想像されることもあり、それは出来れば避けたいと思いつつ、逝き方に注文を付けるのは私のエゴなのかとも気を揉んでいたので、綺麗な姿を撫でながら胸をなでおろしてもいました。

実は私は開業する直前まで、内臓調整の学びの為、関西へ修行に行くつもりでした。当時の勤め先にも退職の手はずを整え、向こうの家もほぼ決まりかけた時に急展開を迎え、断念し開業することになったのですが。諦めた先に、開業半年後からアリアが身をもって3年半に渡り、ずっと私におなかのことを教えてくれたのです。

勿論、カラダのことは奥深く、アリアはただの一例でしかあらず、それが私の技術を神レベルに押し上げたりはしていません。それでも、本当に貴重で濃密な経験を数年に渡り積ませてもらったのだと、今でも深く深く感謝しています。

アリアが腎臓を失った時に、おなかもカラダも命の場だと教えられ、最期までおなかを見せてもらったことで、おなかとカラダは、腎臓の時から最期を迎えるまでの未来へ繋がったのだと教わりました。おなかやカラダは命として、私たちの未来へ、たしかに繋がっているから尊いのだと考えるようになりました。

それで、整体師ムラタにはおなかだけのオプションメニューはありません。整体の中でおなかも当たり前に見るのです。今のおなかを育むことが目の前の不調だけでなく、より良い未来とも関わる為、今後も精進して参ります。

長くなった連載も本日が最終回です。
どうか、皆さんもおなかを大事にしてくださいね。

お読み頂きありがとうございます。

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