ムラタがおなかの施術を深める訳②　

“動かない”を“動く”へ整える【可動域専門】
整体師ムラタ　星加さゆりです。

前回からの続きです。

その後、一人暮らしを始め数年後の2015年、駅近くで、自室と施術部屋、トイレのそれぞれが玄関から直接入れる間取りが決め手となり、古く小さな長屋平屋で整体師ムラタをはじめました。

幸い、本当にお越しの方に恵まれ、長屋の後ろは跨げるくらいの柵があるだけの線路で、一時間に三回（だったと思うのですが）電車が通るたびに結構な揺れと、音。更に駐車場は3分ほど離れた場所にある、この古いお店で、立地的な魅力は駅近くだけという、デメリットを上げたらきりがないお店に皆さん3年もよく通ってくださったものだと、本当に本当に感謝しております。ありがとうございます。

さて、本題に戻り、夏に開業して３か月が過ぎる頃、アリアが調子を崩します。眼球の中に結晶物が出来るという60代の家畜の診療経験もある獣医師も未経験の原因不明のものでした。
幸い春には回復して、ひと安心していたのに、いつものように実家の裏庭へアリアに会いに行くと、右後ろ足が地面への付きが悪く、前足頼みで動き、後ろ足を庇っているようでした。

腰の反りも今一つで、背中に熱感があったので、病院へ連れて行きレントゲンを撮ると、年齢的なこともあり『脊椎の狭窄が数か所見られ、血液検査では炎症の数値があるから腰からかな』と説明を受けました。

診断に納得しつつも、なんか嫌な感じがして、次の日の朝一の施術を終えて、もう一度アリアのところへ行くと、家族は外出しており、裏庭でアリアが動けず下半身を引きずっていました。さらに、背中の右の腎臓のある辺りがテニスボール大に腫れていたのです。後ろ足を握ると、昨日は引っ込める様子があったのですが、今日はそれもなく。右後ろ足からお尻にかけ腫れているように見え、前の日以上に腰を丸めています。

慌ててもう一度、獣医さんへ行くと、足裏を鉗子（切れないハサミみたいな、ペンチみたいな）で挟むも一切反応が無いため、MRIや各科の専門医達が常駐する大きい病院へ急いでいくよう紹介してくれました。

大きな病院で診てもらうと、右の腎臓がかなり大きく腫れていて、他の臓器に与える影響や、腎臓の中身が血なのか膿なのか、原因がウイルスなのか、腫瘍なのかは入院して検査する必要がありました。『状態としては、何とも言えないけれど、いずれにしても右の腎臓はこれだけ腫れると厳しいかな。』みたいなことを、サラリと言われました。

※退院後だいぶ回復し、腫れも当初より引いた状態でもこの腫れです。回復の過程で調子を崩すとこの倍近く腫れることも。腰と股関節がまだ伸ばせず、朝晩の前伸びしか出来ない頃の写真

次の日、検査結果を聞きに行くと、腫瘍ではなく、菌やウイルスは該当なし。穿刺をし、少し内容物を取ったが膿ではない。正体不明の体液と炎症があり、子宮と癒着の可能性があるが癒着の程度は開腹してみなければわからないこと。対応としては、開腹手術で右腎臓を取るか、保存していく投薬療法かと説明を受けました。手術するにしても、まずは炎症を鎮めるため、このまま一週間から十日入院と言われました。

入院して二日後にお見舞いに行くと、目の焦点が合わず、伏せたまま頭をあげることも出来ませんでした。更に腰から右太腿にかけ包帯が巻かれ、着ぐるみのように足が腫れあがり、足首もアキレス腱も分からなくなっていました。更に医師の説明では、包帯の下で私には見えない鼠径部に穴が開き膿が出てきたが、どこからの膿かは医師にも分からないし、見たことのないケースだと言われました。目に続き、今回も原因不明でした。

改めて、今後の方針を相談させてもらったところ、避妊施術の際に用いられた糸が溶けない糸で癒着等を起こしている可能性を話されました。そして、一度癒着が起こるということは繰り返しやすく、開腹手術の縫合の際にも癒着するリスクが高いということです。開腹手術はやめて、保存療法を選びました。

その後、入院五日目にお見舞いに行くと目に力が戻って、私を理解できるようになっていましたが、まるでおぼつかない足取りで、ふらつきながら壁にカラダをもたれさせて立ち上がり、コチラを見つめては崩れ落ちることを繰り返していました。更に鼠径以外にも、膝裏に1円玉サイズの穴が空き始めていることも教えてくださいました。それでも、炎症の数値は安定し、アリア自身が退院したいアピールを盛んに繰り返すこともあり、退院が認められました。

入院で体重が10キロほどに痩せ、身動きが出来ず、膿がまだ出ていて処置も必要でしたし、万が一にも、急変時の際は１時間半の病院への移動は実家の両親には難しいと判断し、私が引き取ることになるのですが、そこからの日々が一気に私のおなかへの施術を深める時間となります。

今日もご覧頂きありがとうございます。
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